4つのプロジェクトライフサイクルを簡単に説明
本日は「アジャイル実務ガイド」に書かれているプロジェクトライフサイクルを簡単にまとめてみました。
わたしもPMP試験で、反復型と漸進型の違いが中々頭に入ってこなかったことを覚えています。
イラストを挟みつつ、単純化してみましたので、参考にしていただければ幸いです。
4つのライフサイクルとハイブリッド型ライフサイクル
予測型ライフサイクルの特徴
予測型はいわゆるウォータフォールともいわれる開発モデルです。
「変更が少なく、納品頻度も少ない」モデルです。
変更をなるべく発生しないように働きかけ、
納品もプロダクトやサービスが出来るまで行いません。

しっかりとしたプロセスに基づくため、
要求事項の変更等に弱いといった特徴があります。
反対に最初から要求事項がお客さんとしっかり握れている場合、
初期段階から詳細な計画を立てる事が出来るため、
リスクやコストをコントロールしやすいといった特徴があります。
反復型(イテレーティブ)ライフサイクルの特徴
反復型は何度もプロトタイプを作っていきます。
その後、何度もテストや開発を繰り返し、プロダクトやサービスを作っていきます。
納品頻度は最後の方に行うモデルです。

「変更は多いが、納品頻度は少ない」モデルです。
漸進型(インクリメンタル)ライフサイクルの特徴
漸進型(インクリメンタル)とは、少しづつという意味で、
インクリメンタルの方がイメージしやすいかもしれません。
機能(フィーチャー)ごとに納品を行い、顧客の満足を得ていきます。

「変更が少なく、納品頻度は多い」モデルです。
アジャイル型ライフサイクルの特徴
2週間や4週間といったような、
イテレーションに区切って作業する「反復ベース」(スクラム開発など)と、
カンバンボードやバックログなどを利用し、
作業が終わったら次の作業を進めるような「フローベース」(カンバン方式など)があります。
アジャイル型の特徴は、
「変更は多く、納品頻度も多い」モデルです。
また、アジャイル型は「アジャイル宣言の原則」を満たすものであり、
価値のあるプロダクトを早期にかつ継続的にリリースするとこでお客様の満足度が向上します。
ハイブリッド型ライフサイクル
プロジェクトはフェーズによって、その特性が変わってくることもあるでしょう。
例えば前半のフェーズでは、仮説検証が必要な場合が多いと思いますが、
後半のフェーズでは、作業が固まり、予測型を取った方が良いケースもあると思います。
何も一つのライフサイクルにこだわる必要もないため、
これらを組み合わせていくことをハイブリッド型ライフサイクルと呼びます。
実際はハイブリッドになることが多いのではないでしょうか?
組織やチーム、プロジェクトの状況に応じたアプローチを選ぼう!
従来の予測型で進行している組織やチームでは、
「アジャイルアプローチ」に変えようと思っても抵抗も大きいでしょう。
そのような時は漸進的(少しづつ)に変えていく必要があったりします。
反対に、立ち上がったばかりの若い組織や人数の少ない組織では適応しやすかったりします。
状況に応じてハイブリッドな形をとりつつ、さまざまなアプローチを取り入れていくのが自然ですよね。
「アジャイル実務ガイド」では、
「アジャイル適合性フィルタツール」という、
組織やチームにどのアプローチが適しているかを、
「文化・チーム・プロジェクト」という3つのカテゴリーと、
「10の質問」により評価する方法が書かれています。
実際にアプローチを取り入れる際の参考になると思います。
参考にされると良いでしょう。
参考書籍:「アジャイル実務ガイド」 Project Management Institute