アジャイル

デイリースタンドアップミーティングのポイント

デイリースタンドアップミーティング

デイリースタンドアップミーティング、もしくは朝会といった活動を行っていますでしょうか?

アジャイル開発などで、開発メンバーが朝、もしくは集まりやすい時間帯に集まり、
昨日やったこと、今日やること、問題点を話し合う活動です。

本日はそんなデイリースタンドアップミーティングのポイントをご紹介します。

一般的な「デイリースタンドアップ」

デイリースタンドアップミーティングでの質問

一般的なデイリースタンドアップミーティングで行う質問を見てみましょう。

まず、「スクラム開発」などにおける、
ミーティングでメンバーに対する質問の内容としては以下の3点があげられます。

  • 「前回のスタンドアップミーティングから何を完了したか?」
  • 「次のスタンドアップミーティングまでに何を完了する予定か?」
  • 「抱えている問題やリスクは何か?」

「アジャイル実務ガイド」によると、
カンバンなどを利用したフローベースのアジャイル開発では、
スループットに重点を置いたスタンドアップミーティングでの質問が書かれています。

  • 作業を進めるために我々は何をする必要があるか?
  • (カンバンなど)のボードに無いものに取り組んでいる人がいるか?
  • チームとして何を完了させる必要があるか?
  • 作業の流れにボトルネックや障害はあるか?

これらの内容を「スタンドアップ(立ち上がって)」行うのがスタンドアップミーティングのようです。

ミーティングの時間が長くなる問題

スタンドアップミーティングのよくある問題を見ていきましょう。

まずは15分を大幅に超えてしまうことが挙げられます。
実際に私も何度もこの失敗をしてしまった経験があります。

質問に対する解決案を回答していくうちに話が長くなったり、
横道にそれた話になり、ひどい時では30分~1時間、いやそれ以上長くなることもありました。

スタンドアップミーティングは、問題解決の場ではなく、問題があることを認識することが重要です。
解決方法は別の場で話をしないと、
関係のないメンバーの作業時間を奪うことになりますし、
酷く辛い時間になるとスタンドアップミーティング自体に嫌気がさす人も現れます。

話がすごく活発化していて、
「うーん、この流れをここでとぎらせたくないなぁ…。」と思うこともあります。
そこで必要になるのがファシリテーション能力です。

例えばAさんとBさんの間で議論が活発化しそうでしたら、
「興味深い話ですね。それでは後ほどAさんとBさんで話を聞かせて頂きますね。」
と、バッサリ進行しましょう。

大事なことは、
デイリースタンドアップは「問題を認識する場であり、解決する場ではない」という
「目的を見失わない」ことです。

自発的な行動を促すため、司会をローテションする

チームメンバーの解答が、
進捗をつまらなそうに報告しているだけになっていませんでしょうか?

例えば、

「昨日はXXを実装していました。」
「今日もXXを実装します。」
「問題はありません。」

というような「うーん、一週間同じ回答のようだなぁ。」ということはないでしょうか?

確かに報告内容は間違っていないかもしれませんが、
他者の状態に耳を傾け、自発的な行動が見られず、やらされている感が強い場合があります。

アジャイル実務ガイドにも記述がありますが、
このような時、司会やファシリテーションをローテーションすることで、
自発的な行動が期待できます。

「自分自身のタスクをこなす活動」だけでなく、
場の準備、話の状況の確認、そのような「チームとしての活動」を委譲していくことで、
チームワークを自分事として捉えやすくなります。

リモートワークにおける「デイリースタンドアップ」

リモートワーク下では、
デイリースタンドアップミーティングはどういう形で行われていますか?

ZOOMやSlack、Teamsといったビデオチャットツールで行っている場合が多いでしょう。
デイリースタンドミーティングに限らないのですが、その場合のポイントを見ていきます。

カメラをONにしておく

まずは非言語によるコミュニケーションが失われている可能性があるため、
なるべくカメラを有効にしておくのが良いでしょう。

声ではわからない顔色が読み取れることもありますし、
チームメンバーの笑顔を見ると「ほっ」とすることもあるでしょう。

また会話中のうなずきなど、キチンと話を聞いている姿が見て取れることもあります。

人によっては、オーディエンス(観客)の方が、
カメラがオンにされていない状態でプレゼンテーションをするのは、
雰囲気がつかめず、緊張してしまう人もいます。

またメンバーによっては顔を他人に見せる機会がなく、
例えばパジャマ姿のまま仕事をしているかもしれません。

それはそれで効率の上がる方もいるかもしれませんが、
仕事のスイッチを入れてメリハリをつける効果が期待できることもあるでしょう。

録画機能を有効に利用する

ZoomやTeamsなどでは録画が可能です。
参加出来なかったメンバーに後で録画内容を閲覧してもらったり、
例えば議事録の代わりに残すことも出来ます。

「振り返り会」などを行う時の資料として有効になるケースもあるでしょう。

なるべく対等な状態を担保する

例えば、社屋などの拠点に殆どの人が集まっており、
そうでないメンバーとビデオツールでつなげているケースがあります。

拠点にいるメンバーがは1つのミーティングルームに集まって、
リモートワークを行っているメンバーは、それぞれの自宅やワーキングスペースから会話をしたとします。

そうすると、ミーティングルーム内のメンバー同士の話や非言語コミュニケーションが発生し、
それらはリモートワークを行っているメンバーに伝わりません。

ミーティングルーム内のメンバーは、一見平等な情報交換が行われていると思うのですが、
リモートワークを行っている離れているメンバーに伝わっていない情報が発生しがちです。

問題は「不便な所」に気が付かない所です。

これを解決するには、同じ拠点内にいたとしても、
1つのミーティングルームに集まるのではなく、例えば自席などから平等にミーティングを行います。

こうすることで「不便な所」も等しく共有することが可能になります。

(参加メンバー全員が同じミーティングルームに集まるのであれば問題は無いでしょう)

よろしければ、下記も参考にしてみてください。

有効に活用しよう! デイリースタンドミーティング

リモートワーク下でもそうでなくても、
情報を共有し、自分のやるべきことも整理出来るデイリースタンドミーティングは、
チーム活動に大きな効果を発揮します。

リモートワーク下で失われるコミュニケーションもあるのですが、
逆にメリットとなることもあるでしょう。

さまざまなシチュエーションで、
組織やチームの文化に応じた効率的なデイリースタンドミーティングを心掛けたいものですね!

参考書籍:「アジャイル実務ガイド」 Project Management Institute