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兼務による弊害を意識して複数プロジェクトを成功させよう!

兼務でパフォーマンス上がりますか? 

あなたがチームを構成するとき、
プロジェクトメンバーの多くは「選任メンバー」でしょうか?
それとも「兼務メンバー」が多いでしょうか?
私自身、何度も複数のチームに属して「兼務」していることがありました。

しかし、兼務は本来100%発揮出来る人のパフォーマンスを
落としてしまっているかもしれません。

本日は「兼務」のデメリットを考えた上で、
上手な兼務との付き合い方を考えていきましょう。

切り替えコスト

「アジャイル実務ガイド」によると、
タスクを切り替えるとき20~40%の生産性損失の可能性があると書かれています。

例えばプロジェクトAの仕事をしている時、
プロジェクトBの仕事を急に頼まれたとしましょう。

作業環境、意識、状況など、さまざまな要因がプロジェクトAに向いています。
そこにプロジェクトBに対する準備を行うわけです。

プロジェクトAからプロジェクトBへと切り替える時に、
環境の変更、気持ちの切り替え、すぐに変わることは出来ないですよね。

このように「切り替え時」にコストがかかる事を意識しておく必要があります。

当然、そういったプロジェクトが増えれば触れるほど、切り替えコストは増えていきます。

依頼元は他のプロジェクトの様子を知らない

例えば、プロジェクトAの仕事とプロジェクトBの仕事、
2つのプロジェクトの仕事を引き受けたとしましょう。

プロジェクトAの依頼元はプロジェクトBの状況や様子は見えません。
そもそも「他プロジェクト」に興味がないことが殆どです。

あなた自身が依頼元のプロジェクトに対して、どれくらいの成果と結果を残してくれるのか?
そのことだけを考えてしまうことが殆どです。

組織として、
プロジェクトAとプロジェクトBを俯瞰してみることもありますが、
依頼を受けた方が、どのくらいのパフォーマンスを出せるのか?
キチンと説明を行っていく必要があります。

しかし、プロジェクトですので計画に変更が起こり、当初抱いていた予定から大きく外れることもあるでしょう。

このような時、あらかじめバッファを持っておく。
もしくは、どちらかのプロジェクトを断ることも必要になっていきます。

受け身の仕事になりがち

プロジェクトに「選任」していれば、
その分思い入れも強くなることがあります。

自ら行動を行いリーダーやマネジャーが指示を出さずとも、
自発的に動くことも多いでしょう。

しかし、複数のプロジェクトを兼務していた場合、
両方のプロジェクトの状況に対して、
自分に与えられた仕事をセルフマネジメントすることに力は取られがちです。

そうすると、どうしても「受け身」の体制になってしまい、
自発的行動を促すことが困難になっていきます。

プログラムマネジメントや機能横断型チームでカバーしよう

それでは、どのように複数のプロジェクトと上手に付き合っていけるのでしょうか?

一つは、複数のプロジェクトが関連しているプロジェクトであれば、
プログラムマネジメント(複数のプロジェクトを総括してマネジメントする)
導入してみるのも良いでしょう。

複数プロジェクトのメンバーの状況を把握、
切り替えコストや複数プロジェクトを俯瞰して取り扱う仕組みを導入することで、
双方のプロジェクトを成功に導きます。

また、例えば、複数プロジェクトで共通で利用する仕組みなどを開発したり、
複数プロジェクトを横断していくチームを構築することで、
横断専属チーム。
プロジェクトごとの選任チーム。
これらを構築することで、
「切り替えコストをそもそも発生させないチーム編成」を考えてみるのもありでしょう。

参考書籍:「アジャイル実務ガイド」 Project Management Institute