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プロジェクト憲章を確認してみよう

アナタのプロジェクトの「プロジェクト憲章」を見たことありますか?

突然ですが、みなさまは「プロジェクト憲章」を見たことがありますか?

PMP(ProjectManagementProfessional)試験を受けたり、
PMBOKガイドなどを見ると「プロジェクト憲章」を知る機会があります。

しかし、
「うーん、私のプロジェクトにそんな文書あったかなぁ?」
「そもそも初耳なんですけど。」という方もいらっしゃると思います。
(かくゆう、私自身がそうでした…)

「プロジェクト憲章ってなに? 役に立つの?」と思われている方に向けて、
プロジェクト憲章とそのメリットについて解説します。

プロジェクト憲章とは?

「プロジェクト」は何処からスタートするのでしょうか?

市場の状態や組織のニーズ、顧客の要求などから、
「こんなプロジェクトを立ち上げたらどうだろう?」という所から始まり、
いきなりプロダクトの概要書を書くのでしょうか?

PMBOKガイドによると「プロジェクト憲章」を、
プロジェクトのイニシエーターまたはスポンサーが発行し、
プロジェクトマネジャーに権限を与え、承認されるところからスタートします。

それでは、
イニシエータやスポンサーが考える事じゃないの?と思われるかもしれません。

しかし、
プロジェクト憲章はプロジェクトマネジャーが介入して一緒に考えることもあります。

「プロジェクト憲章」には、どんな内容を書いていくのでしょうか?

PMBOKガイド6版では以下の内容が書かれていますが、
プロジェクトや組織に応じて内容に多少の違いはあるでしょう。

「プロジェクト憲章」に記述する項目:

  • プロジェクト目的
  • 測定可能なプロジェクトの目標と成功基準
  • ハイレベル(大雑把な)プロジェクト記述や主要な成果物
  • プロジェクト全体のリスク(大きなリスク)
  • 要約されたマイルストーンリスト
  • 事前に承認された財源
  • 主要なステークホルダー(関係者)
  • プロジェクトの成功を判断する事項、
    プロジェクトの成否を判断する人、プロジェクトの受入承認をする人
  • プロジェクトの終了基準
  • 任命されたプロジェクトマネジャーとその責任と権限のレベル
  • プロジェクト憲章を認可するスポンサー、あるいは相当する人の名前と地位

このような内容が記述された文書になります。

プロジェクト開始を審査したりするミーティングや同様の手順が、
大なり小なり存在すると思います。

その時に提出する資料の中から、
このような「プロジェクト憲章」にあたる文章を見つけてみましょう。

プロジェクト憲章をプロジェクトメンバーに共有しよう!

PMBOKガイドでは、
プロジェクト憲章がさまざまなプロセスのインプットとして利用されます。

例えば、
プロジェクトマネジメントをどのように進めていくか?を記載した計画書を作る際も、
この「プロジェクト憲章」を参照します。

よくよく考えれば当たり前ですよね。
何故なら、プロジェクトを認可するに至った文章なのですから、
重要なポイントが記載されているわけです。

「何故このプロジェクトが存在するのか?」
その答えの文書ともいえるわけです。

IT系のプロジェクトでしたら、
例えば、
プロジェクト用のサイトやページ等に、
分かりやすく提示して、プロジェクトメンバーに共有する
のも良いでしょう。

このような大目標やマイルストーンを一部の偉い人だけが知っており、
チームメンバーには共有されないケースを見かけることがあります。

そうなると、本来必要で無い機能が追加されたり、
大きくスケジュールが延びてコントロールが不能になってくることがあります。

新規メンバーが参入した際に、少し時間をとって、
「プロジェクトの意図、主要なステークホルダーの紹介、マイルストーンの共有」などを、
「プロジェクト憲章」を軸に行うのも良いでしょう。

プロジェクト憲章作成のために必要なビジネスケース

「プロジェクト」は何故始まるのでしょうか?

組織のポートフォリオ戦略や、市場の需要や顧客の要望、様々な要因から始まります。

PMBOKガイド第6版では、
プロジェクト憲章を作成するプロセスにおいて、
「ビジネスケース」を参照文書の一つにあげています。

ビジネスケースとは、市場の需要や組織のニーズ、顧客の要求や社会的ニーズなど、
外部要因や組織のポートフォリオに沿ったニーズなどを記述したものです。

プロジェクト憲章の上の組織の目的を理解しよう!

あなたのプロジェクトにも、
「そのプロジェクトを始めた動機」「プロジェクトとして認可された文書」があるはずです。

それらがプロジェクト憲章にあたります。

プロジェクトが迷走している時、
もともとの目的が何だったのか分からなくなった時、
もしくはプロジェクトの目的を尋ねると答えがバラバラであったとき、
「プロジェクト憲章」に立ち返ってみると、思わぬ突破口が見つかるかもしれません。

 参考書籍: 
プロジェクトマネジメント知識体系ガイド PMBOK®ガイド 第6版 PMP Exam Prep: Accelerated Learning to Pass the Project Management Professional (PMP)