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タスクはどこまで詳細に?ローリングウェーブ計画法のススメ

ローリングウェーブ計画法を使い、無駄なタスク分解を減らそう

「タスク洗い出し会議」

そのような会議を目にすることがあります。

しかし、プロジェクト直近のフェーズと後半のフェーズ、タスクの粒度は同じでも良いのでしょうか?

プロジェクトというものは、ほぼ確実に「変更」が生じます。

変更が発生することを前提とした働きかけをする方が自然な流れでしょう。

直近のタスクほど洗い出しやすく、後半のタスクは洗い出すのが難しいはずです。
なぜなら、直近のフェーズはやることやスコープが明確になっているはずですが、
後半のフェーズではまだ曖昧な状態にある可能性が高いためです。

本日は「ローリングウェーブ計画法」を紹介し、
どのようにタスクやスケジュールの粒度を決めかたを見ていきましょう。

ローリングウェーブ計画法とは?

「ローリングウェーブ計画法」とは、直近のタスクやスケジュールは詳細に割り出し、
後半のタスクは大雑把に割り出します。

そして、後半のタスクが近づいてくると、詳細な割り出しへと変えていく手法のことです。

スケジュールやタスクが定期的に寄せて来る波のようなイメージで捉え、
一度でスケジュールやタスクの要素分解を終わらせるのではなく、何度も段階的に詳細化するわけです。

もしかしたら、みなさまも自然と「ローリングウェーブ計画法」をご利用されているかもしれませんね。

フェーズごとの粒度を決めて段階的に詳細化していこう

プロジェクトの初期に後半のことを考えるのは良いと思います。

しかし、あまりにも段階的に詳細化すると、当初の変更からズレてしまったとき、
そのタスクリストやスケジュールの変更にコストがかかることがあります。

ありがちなのが、後半のことを考えて、良かれと思って何か機能を実装することがあります。

しかし、プロジェクトの仕様変更により、
全く意味のない機能となるどころか、その機能が問題を引き起こす要因になることもあります。

タスクやスケジュールは一人ではなく、皆で考えていくものです。

タスクやスケジュールを考える時、
「そのタスクのフェーズの粒度はどのくらいで考えるべきか?」
そういった粒度を予めて定義しておくことで、
何度も段階的に詳細化していくことを周知させておけば、

分かりやすいタスク表やスケジュール表が出来ていきます。

また、優先度に関しても手前のフェーズの方が高いので、
何処に力を入れれば良いのか明確になっていきます。

タスク表やスケジュール表も大事な成果物です。
プロジェクトがフェーズごとにフィードバックを受けて改善していくように、
これらタスク表なども段階的に改善していく意識を周知させることが大切です。

人員のアサインにも注意が必要です。

プロジェクトの後半に人が必要になるだろうと思い、後半のためにアサインをすると、
その後半フェーズが更に後ろに遅れることもありますし、思った以上に人数が必要でない場合もあります。

そうするとアサインされたメンバーの仕事を作らなければならなくなり、
後半のための準備という必要のない機能を追加することになり、
後半フェーズに入ったときに大幅な見直しが発生することになります。

人員アサインについてもローリングウェーブ計画法の上で考慮すべきなのです。

セルフ練習!ローリングウェーブ計画法

ローリングウェーブ計画法は、後半のことを考えないのではなく、粒度をつけていこうという話です。

しかし、どうしてもフェーズ毎の詳細度を同じ粒度で考えがちですが、練習することで感覚を身に着ける事が出来ます。

自分自身のスケジュール、タスクを用いてみます。
直近1週間の予定を考え、
1日目の予定は詳細に、2~6日目は少し粒度を荒くした計画を立ててみてください。

実際に2日目に突入した時、どのような変化が起きるのか確認していき、2日目の計画を詳細化していきます。

これを一週間行うと、
思った以上に予定が早く進んでいる、追加の作業が必要になった、ペースが速い、遅いなど色々なことが見えてくると思います。

自分自身で出来るようになったら、少しづつ広げていくと、より実践的なローリングウェーブ計画法が生まれてくるのではないでしょうか?