7つの習慣より、「相手に寄り添う聴き方」を学ぶ
「上手く友達と相手と仲良くなれないな。」
「部下がこちらのアドバイスを全然聴いてくれない。」
そのように感じることはないでしょうか?
もしかしたら、
相手の考えていることをキチンと聴けていないのかもしれません。
書籍「7つの習慣」をご存じでしょうか?
私的成功を収めるための第1~第3の習慣。
公的な成功を収めるための第4~第6の習慣。
それらを繰り返していく第7の習慣があります。
本日は7つの習慣のなかの「第5の習慣」より、
「まず理解に徹し、そして理解される」という習慣を学んでいきましょう。
自分語りになっていませんか? 4つの自叙伝的反応
部下や後輩、自分よりも若い方とお話しする際に、
「わたしの若いころは…。」
ついつい、そのように自分の過去話を話してしまうことはないでしょうか?
わたしもついつい話してしまいます。
今度は自分より年上や先輩とお話しする際に、
「本当はこういった事を話したいのにな…」
「全然違う解釈されちゃっているな。」
そう思い、早くこの会話を終わらせたい。
そう思う事はありませんか?
7つの習慣では、
「殆どの人が自分が正しいと思い、
自分の考えを押し付けようとする。自分が理解されたいのである。」
と書かれています。
ドキッとしてしまいます。
わたしも後輩や若者に対して、自分の考えを押しつけていたと思います。
第5の習慣を読んでからは、そのような行為が実は独りよがりだったと反省しています。
7つの習慣では、
自分の過去の経験を相手の話に当てはめて、
グループ分けしようとする反応を、「自叙伝的反応」と伝えています。
そして、自叙伝的反応には、以下の4つの反応をしがちと書かれています。
- 評価する(相手の話を自分の基準で良いのか悪いのか評価してしまうこと)
- 探る (自分の視点から質問する。)
- 助言する(自分の過去の経験にあてはめて、アドバイスしてしまうこと)
- 解釈する(「こういうことだよね?」と自分の価値観を基準にして、相手の動機や行動を説明する)
人と話すときにやってしまいがちな反応だと思います。
特に立場の弱い人と話をするとき、
ほぼこの中のどれかに当てはまる反応をしてしまっているのではないでしょうか?
このような反応を全くしないというのは難しいですし、
私としてはその必要もないと思っています。
しかし、大切なのは、
「相手のことを理解しようと努めていますか?自分のために会話していないですか?」
ということではないでしょうか。
それでは、どのように相手の話を聴いていけば良いのでしょうか?
共感による傾聴
7つの習慣では、4段階のレベルを用いた傾聴方法を提示しています。
第1段階は「相手の言葉をそのまま繰り返す」です。
「わたし、今日体調が悪くて…。」と言われたら、
「体調が悪いんですね。」と返します。
積極的傾聴とか振り返り傾聴と言われる手法だそうで、
7つの習慣では最もレベルの低い段階とされていますが、
相手の話を聴こうという意識があるだけでも良しとされています。
第2段階は「自分の言葉に置き換える」です。
「わたし、今日体調が悪くて…。」と言われたら、
「そうなのね。体の調子が悪いのね。」などと返します。
第1段階とあんまり変わらないような気もしますが、オウム返しになるのではなく、
自分の言葉で置き換えることで少しはましになるようです。
第3段階は「相手の気持ちを言葉にする」です。
「わたし、今日体調が悪くて…。」と言われたら、
「そうなのね。今日は辛いよね。」などと返します。
このように相手の気持ちを考えて、言葉にします。
第4段階は「相手の言葉を自分の言葉に置き換えると同時に、相手の気持ちも言葉にする」です。
第2段階と第3段階の組み合わせです。
「わたし、今日体調が悪くて…。」と言われたら、
「そうなのね。体の調子が悪いのね。それは今日は辛いよね。」などと返します。
なかなかすぐには出来ないとは思いますし、
難しいですよね。
7つの習慣、第4の習慣では「Win-Winを考える」という習慣でした。
お互いWin-Winになるためには、
自分の意見を述べる前に、相手の話を聴いてあげること。
そこから真のWin-Winは生まれてくるということを伝えているわけですね。
理解されるために
「相手の気持ち」を理解していく方法は分かりました。
それでは「理解されるため」にはどうすれば良いのでしょうか?
「こちらの考えも伝える」必要があるわけですよね。
7つの習慣ではコミュニケーションにおいて「理解されるためには」以下の順番が大切だと伝えています。
まず、信頼されること。
相手から信頼されることがまず大切であると伝えています。
これは普段の行いや、
先ほどの傾聴などを通して「この人なら安心だ。この人なら信頼できる。」と思ってもらう必要があります。
次に相手の身になってコミュニケーションを取ること。
相手の気持ちを考えて、時に感情的に、気持ちを込めてコミュニケーションを取ることですね。
「思い」を届ける必要があるわけですが、大切なのは相手のことを考えているかどうか?ですよね。
最後に、ロジカルに説明すること。
「信頼、親身になって気持ちが入っている」この土台があるうえで、
初めてこちらの伝えたいことを論理的に説明するわけです。
なるほど、考えてみると当然の流れのような気もしますが、
「論破」という言葉があるように、
いきなり「ロジカルに説明」してしまう人も沢山いるわけです。
こちらの正当性を押し付けるだけならそれでも良いのかもしれませんが、
相手に理解してもらいたいのなら、信頼と気持ちを伝えるという土台が必要になっていきます。
傾聴に共感、理解されるコミュニケーション。
総じて難しいと思います。
わたしも全然出来ていません…。
しかし7つの習慣の著者、コヴィー先生は言っています。
「相手を理解する努力を自分で出来ることから始める。」
これならば誰でも出来ると。
「相手が反応を示さなくても、あなたが理解をしようとする行動をとること。」
そういった行動を積み重ねていくことで、
あなたの中にも変化が起きてくると伝えています。
参考書籍:
完訳 7つの習慣 人格主義の回復 著者:スティーブン・R・コヴィー (著), フランクリン・コヴィー・ジャパン (翻訳)