孫子の兵法

孫子の兵法をテーラリング!作戦篇にまなぶ「多様性の時代に求められる活用術」

知将は務めて敵に食む

孫子の兵法は伝えています。

戦争で敵地に赴いた際は、
「敵地で手に入る食料や戦力などは敵地でゲットして活用せよ」と。

遠く離れた戦地に、自国から物資を輸送するのは大変ですよね。
なるべく現地で調達できるものは、現地で調達し活用しようという考え方です。

また、敵地の戦力、
例えば戦車などを兵士に与えて、戦力を増強させようとも言っています。

戦争は基本的にはドンドン消耗していくものです。

しかし、
敵地のリソースを有効活用することで、
戦力を逆に上げていくことも可能と説かれているわけですね。

この教訓をどう活かしていくか考えてみましょう。

情報収集と応用力を活かしていく

最近は複数の企業と協業して働くことありますよね。

そんな中で、
どうしても組織の文化が合わなかったり、
コンセンサスが上手く取れない場合もあります。

ましてや海外の企業と協業するときは尚更ですよね。

そんなときに自身の文化や価値観を、他社や他人に押し付けがちになる時があります。

協業会社の強みが活かせなかったり、
コミュニケーションが上手に取れないこともあります。

もっと小さな話ですと、
同じチームの間でもそういったことが起きますよね。

「田中さんと山田さんは同じチームなのに、お互い相手の上げ足ばかりとっているなぁ。」とか、
「鈴木上司は、部下のいうことを聞かず、いつも命令ばかりしているなぁ。」
「あれじゃあモチベーションは下がる一方だよ。」とか。

孫子の兵法の作戦篇にある、
「知将は務めて敵に食む」「敵の貨を取る者は利なり」といった言葉は、
一言でいうと、敵地のリソースを上手く活用しようということだと思います。

現代に置き換えると、
相手のことや見知らぬ文化などを把握してリサーチする。

自分の感情や文化を押し付けるのではなく、
その状況にあった対応を考えていくといえるでしょう。

部下に仕事を任せてますか?

能力の高い人や完璧主義な方は、
なかなか部下に仕事を移譲することが出来ず、
自分で全部やってしまう人がいます。

本当は部下もさまざまな能力を持っているはずなのに、
その能力が引き出せないケース
を目にすることがあります。

こうなると悪循環です。
上司は「出来る人が社内にいない!」と言って新たに人を募集する。

募集した人も「上司の求めている出来る人」には当てはまらず、
その人達に仕事をアサインするために上司自身が苦しむ。

人材リソースを上手に活用出来ていないケースですよね。

部下の皆さんも、
「本当はこういったことがやりたい。」
「こういったことに自信がある。」といった能力を持っていることもあるでしょう。

自信はないけど、実は役に立つ能力を持っていることもあります。
例えば、
「私~、TOEICは900点ではあるんですけど…英語には自信がなくって…。」とか。

そういった能力は引き出して、使わせてあげるべきだと思います。

「部下が使えなくってさ~。」という上司は、
もしかしら、単純にリサーチ不足、コミニュケーション不足で、
部下の能力を引き出せていないのかもしれませんね。

部下は敵ではないですけど、
「知将は務めて敵に食む」という教訓が応用出来るのかもしれません。

最近では、上司と部下が1対1で話をする、1on1ミーティングなどが流行です。

1on1ミーティングなどを活用して、
部下の能力を引き出してみると、余計なリソース追加にならなくてすむかもしれませんね。

多様な時代に求められる活用術

本日は、孫子の兵法の作戦篇より、
知将は務めて敵に食む」や「敵の貨を取る者は利なり」といった言葉を題材に、
リソースの活かした方について考えてみました。

現代を戦場と置き換えてみましょう。

さまざまな社員の契約形態、
テレワークによって移り変わる働き方の場、
新しいビジネスなど、多種多様です。

みなさまの応用力が求められます。

大切なことは
「同じやり方を当てはめるのではなく、その場、その時、リソースに合わせた活用法」
常に考えるということでしょう。

そう考えると、
先の予測が困難なVUCAな時代と言われる「現代」も
「孫子の時代である2500年前の春秋戦国時代」も、
状況はそう変わらないのかもしれません。

参考書籍:孫子 (講談社学術文庫) 著者:浅野 裕一