1駅で日本史 旧石器時代
この記事は、
日本史に触れてこなかったけど、興味のある、社会人に向けて書いています。
「1駅を移動する間(約5分間)にざっくり日本史を楽しめる記事」を目指しています。
レベルは初心者向け、中学高校の日本史をテーマに扱います。
何処から見ても1話完結で見れるシリーズ記事を試みています。
今回は「旧石器時代」について見ていきましょう!
なが~い、旧石器時代
人類の歴史
人類は約700万年前にアフリカで誕生したとされます。
猿人、原人、旧人、新人と人類は長い期間をかけて進化していきます。
日本列島で発見された人類は今のところ、新人が一番古いようです。
人類誕生の年代に関して
私が学生の頃は400万年前?と習っておりましたが、
「諸説 日本史B」では700万年前とされていますね。
調べてみると、
2001年にアフリカで発見された、
「サヘラントロプス」という猿人が約700万前に生息していたとされることから
来ているようですね。
ただ、異論も唱えられているようで、今後変わっていくかもしれないですね。
昔は、最古の猿人といえば「アウストラロピテクス」と教わっていましたが、
発見とともに移り変わっていくものですね。
なんにせよ、数百万年の時間を経た人類史からすると、
縄文時代から続く約1万年程度の歴史は「一瞬の出来事」に過ぎないものなのですね。
氷河時代
約1万年前までは氷河時代とされます。
この氷河時代は寒冷な氷期(ひょうき)と比較的温暖な間氷期(かんぴょうき)が
約10万年周期で交互に訪れてきました。
実は今も間氷期にあたるようです。
氷河期のサイクルの中に我々も生きていることになるんですね。
次の氷期はいつやってくるのでしょうか?
氷河時代では、日本列島と大陸がまだ地続きだったようです。
その間にナウマンゾウなどの大型動物が日本列島に渡り、
人類もそれを追って日本列島にやってきたんじゃないか?と言われております。
*ただ、これらもまだ推測のようです。
何処までが旧石器時代で何処からが縄文時代?
旧石器時代と縄文時代ってあいまいになりますよね。
私も「ン?一緒じゃないのかしら? 何が違うのかしら?」と思うことがありました。
約1万年前、氷期が終わり、温かくなります。
氷河も溶けて森林が増えます。
大型動物が減っていき、小型動物が増えていきます。
小型動物を捕まえるために、弓矢が開発され、植物を煮るための土器が作られます。
そうして、土器や弓矢、住居を構えるようになった、約1万数千年前からを縄文時代。
それ以前が旧石器時代になります。
旧石器時代を含めると、日本史は殆ど旧石器時代になりますね(笑)
ちなみに、新石器時代ということもありますが、
厳密には違うようですが、縄文時代とほぼ一緒と捉えてよいかと思います。
旧石器時代 > 縄文時代=新石器時代 > 弥生時代の順に変わっていきます。
旧石器時代の人たちはどんな生活をしていたの?
打製石器
旧石器時代の人々は大型動物(ナウマンゾウやヘラジカなど)をターゲットに狩猟していました。
狩猟するためには、石を打ち砕いて使う打製石器を使用します。
打製石器には以下のようにさまざまな種類が用途ごとに存在していたようです。
ハンドアックス(石斧 読み:せきふ)
万能型。主に打撃用。

ブレイド(石刃 読み:せきじん)
切る、削る用。

ポイント(尖頭器 読み:せんとうき)
槍や弓の先につけて使用。
おもに狩猟用。

マイクロリス(細石器 読み:さいせっき)
木にはめて使う

食べ物
狩猟と植物性の食糧の採集が主流だったようです。
ナウマンゾウやヘラジカ等を捕まえては食べていたと推測されますね。
ググってみますと、
旧石器時代の食事でダイエットするパレオダイエットなるものがあるようですが…。
また植物性の食べ物に関しては
どんなものを食べていたのかよく分かっていないようですね。
旧石器時代の食生活、実際のところはどうだったのでしょう。
住居
この時代の人々は狩猟と採取を行うため、食料を求めて移動をしていました。
そのため、簡単なテントのようなものだったり、洞穴(どうけつ)などを
利用していたようです。
また10人前後のグループで暮らしていたようです。
第二次大戦前には見つからなかった旧石器時代
アマチュア考古学者の情熱による打製石器の発見
第二次大戦前まで日本には旧石器時代はなかったとされていました。
戦後、1946年、
アマチュアの考古学者である相沢忠洋(あいざわただひろ)により、
群馬県みどり市の岩宿遺跡の関東ローム層
(火山から降って来た土などで出来た赤土の地層)から石器が発見されました。
関東ローム層は旧石器時代の地層で、
この時代には人が住めないと思われていましたが、
そこから石器が見つかった形です。
その後、1949年に学術調査により打製石器の存在が確認されました。
「岩宿の発見」は一見価値あり!
相沢忠洋は、幼少期に妹を亡くし、両親は離縁。
その後、第二次世界大戦を迎えます。
しかし、考古学に対する熱い想いは強く、岩宿遺跡の発見につながりました。
相沢忠洋の著書【「岩宿」の発見】は一見の価値があります。
家族の団らんを求め、
赤土の崖と呼んでいた岩宿遺跡の発見までをつづったドラマが描かれています。
岩宿の発見に関しては下記の記事もどうぞ。
たくましく生きた旧石器時代の人々
氷期を生き抜いた旧石器時代の人々。
たくましいですね。
この時代はわかっていないことも多いのですが、
マンモスやマンガ肉、はじめ人間ギャートルズのイメージが強い時代です。
氷期の終わりにより、大型動物は絶命に向かい、小型生物が増え、植物も変化していきます。
そういった環境の変化が縄文時代へと繋がっていったんだろうと想像できます。
現代とは違う問題に立ち向かい、精いっぱい生きていたご先祖様たち。
その逞しさを見習いたいものです。
参考資料: 詳説日本史B 改訂版 [日B309] 文部科学省検定済教科書 「岩宿」の発見 (講談社文庫)