PMBOKの話題

テーラリングとは? あなたのPMBOKガイドを電話帳にしない方法

組織やチームにあわせてテーラリングをしよう

みなさん、PMBOKガイドを活用されていますか?
また、テーラリングをご存じでしょうか?

「プロジェクトマネジメントといえばPMBOKと聞いたことがあるぞ。」
「よし! amazonでポチってみよう!」

数日後…。

「うっ!何が書いてあるのかさっぱりワカラン! しかもデカい!」

「そもそもウチの会社ではプロジェクトマネジメント計画書なんてないし、
 大規模のウォータフォール向けなのかしら?」

「うちとは縁がなかったね。PMBOKは役に立たないなぁ。」
…と、PMBOKガイドがただの電話帳になってしまうことないでしょうか?

ちょっと待ってください!

PMBOKガイドは特定の業界にフォーカスしたものではないので、
全てのツールやテクニック、インプットアウトプットに当たる書類が必要なわけでもなければ、
全てのプロセスをこなす必要もないんです。
(そもそもそんなプロジェクトは多分無い…あっても少数でしょう。)

PMBOKガイドを活用する際に抑えておきたい概念「テーラリング」をご紹介したいと思います。

「テーラリング」という概念さえ押さえておけば、
そのPMBOKガイド、もしかしたら電話帳や枕にならずにすむかもしれません。

本日は、PMBOKガイドの活かし方、「テーラリング」についてご紹介したいと思います。

テーラリングってなに?

「テーラリング」とはなんでしょうか?

PMBOKガイド第6版にはこう書かれています。

プロジェクトはそれぞれ独自性があるので、
プロジェクトに合わせて、
適切なプロセスやツールとテクニック、アウトプットすべき文章を選択していくことです。

誤解されがちですが、PMBOKガイドは方法論ではなく、
過去のプロジェクトの教訓などから、知識体系集としてまとめられたものです。

そのガイドをそのまま当てはめるという考え方ではなく、
そこから自分の組織やプロジェクトにあった形にチューンナップしていくことが、テーラリングになります。

テーラリングとは、服などを仕立てる、
仕立て屋と同じ意味で、プロジェクトにあわせてフィットさせていくといった考え方ですね。

PMBOKって役に立つの?

PMBOKガイドでは、
テーラリングを行う際に気をつけるべきポイントが、各知識エリアごとに書かれております。

もし、PMBOKガイドを持たれていたら、
各知識エリアごとに書かれているテーラリングを行う際に気をつけるポイントを確認してみましょう。

何か気づきがあるかもしれません。

PMBOKガイドでは「これだけやればよい!」といった形ではなく、
「プロジェクトが成功するかどうか?それはあなた次第です。」と言われているようにも見えますが、
実際そうですよね。

ですが、孫子の兵法ってビジネスで役に立つの?と聞かれることと同じように、
PMBOKガイドって役に立つの?と聞かれれば、
「あなたのテーラリング次第、あなたのチームやあなたの組織への活かし方次第です。」といった回答になります。

少なくとも、私は自分が担っているプロジェクトに関して、
このガイドから学ぶべきことがあり、実際に実践することで役に立っていることがあります。

「あなたのテーラリング次第」

PMBOKガイドをベースとしたさまざまなシチュエーションに関する問題が出るのが、PMP試験です。

ただPMBOKガイドのプロセスを覚えるだけでは合格は出来ません。

まさにテーラリングを求められる問題(シチュエーション問題)が多々出題されています。

テーラリング力をつけるにはもってこいの試験でしょう。

PMBOKガイドを深く「使っていく力を高める」には、
PMP試験のシチュエーション問題を解いたり、考えてみるのが良いでしょう。

自分のプロジェクトにて、
「何か上手く活用出来ないか?」そういった意識をもってPMBOKガイドを眺めることで、
ただの分厚い無味乾燥な電話帳から、
英知の集まった知識体系集といった武器(物理的な意味ではないですよ。)へと変わることでしょう。

テーラリングの考え方をPMBOKガイド以外でも活用してみる

テーラリングの考え方は、何もPMBOKガイドに留まる必要はないです。

例えば、さまざまな教訓や書籍などを上手くビジネスに応用することも一種のテーラリングではないでしょうか?

大切なのは、何かを活用しようと思う心で取り組むことが重要だと思います。

是非、皆さまもテーラリングしてみてください!