チーム憲章を作ろう!
皆さんのプロジェクトではチームの文化やルールが共有されていますでしょうか?
もしくは、新しくプロジェクトに参入された方が、
「チームの中でどのように動いたら良いか迷う」ことはないでしょうか?
特にリモートワークを行っていると、
文化やルールが見えにくくなる傾向にあります。
そのような時に、
チームメンバーの活動の指針となる「チーム憲章」に関して説明します。
チーム憲章とは?
チーム憲章とは、
「チームの価値観やモノゴトの合意ガイドライン、業務上のガイドライン」などを確定する文章です。
PMBOKガイド第6版では下記の項目が挙げられていますが、
この内容に限定されるものではなく、
チームに沿った形で決めていくのが良いでしょう。
- チームの価値観
- コミュニケーションのガイドライン
- 意思決定の基準とプロセス
- コンフリクトの解決プロセス
- 会議のガイドライン
- チーム合意
チームとして何を大事にしていくのか?
コミュニケーションの取り方や合意の取り方、
例えば「どのような文書をどの人に渡して、どういった手順で合意を得るのか?」
といったコミュニケーションや合意のプロセス。
会議のガイドラインは、
例えば、1時間を超える会議は別の会議をセッティングする。
会議は必ず録画をするなど、会議のルールを決めていきます。
このような、
チームとしてのガイドラインやルールを決めていくのが「チーム憲章」です。
PMBOK第6版では、
「資源マネジメントの計画」プロセスでアウトプットされる文書です。
人的資源を投入する際の基準としてチーム憲章が役に立つこともあります。
プロジェクト憲章とチーム憲章の違い
憲章(チャーター)と聞くと、
プロジェクト憲章が浮かぶかたもいらっしゃると思います。
プロジェクト憲章とは、
そのプロジェクトの目的だったり、
大雑把な要件や、マイルストーンや事前の財源などが記載された、
「プロジェクトがどういうことを行うモノなのか?」を記載している大事な文書です。
チーム憲章はプロジェクトの目的ではなく、
「チームとしてどうあるべきか?」といった内容にフォーカスする文書です。
プロジェクト憲章により、プロジェクトの目的は皆の中で一致しているかもしれません。
しかし、
例えば、新しく開始されるプロジェクトなどでは、
各々がそれまでの経験に基づいた「ルール」を持っています。
この「ルール」がぶつかることで、
さまざまなコンフリクトや認識のすれ違いが発生していきます。

新しく参入したメンバーも「どういうルールをこのチームが持っているのか?」ということが理解できないと、
自発的な行動が取りにくかったり、過去の経験に基づいたズレた行動をしがちです。
このような問題をチーム憲章を用いることで取り除くことが可能になっていきます。
リモートワーク下におけるチーム憲章の重要性
現代では、リモートワークによるプロジェクトやチームも増えてきているでしょう。
同一の拠点にいれば、
周りの方が行っている会議の様子や、
雑談の様子、誰がどういう役割をもっているのか?といった
チームの雰囲気といったものが、「空気」として伝わっていくことも多いでしょう。
しかし、リモートワークにおいてはそのような「空気」が見えなくなっていきます。

チーム憲章をしっかり用意することで、「空気」に頼らないチーム活動が期待出来ます。
もともとリモートワークが普及しない時でも、
「空気」の裏に隠れてしまったコンフリクトやすれ違いといった問題も、
こういったリモートワーク下にて、しっかりルールや文化を共有する活動を行うことで
より良い活動が期待できるかもしれませんね。
チーム憲章という文書を作りっぱなしにしても効果は薄く、
例えば、新しいメンバーが参入したら、
チーム憲章をしっかり説明するオリエンテーションを用意したり、
定例会やマイルストーンのタイミングなどで、改めて全員でチーム憲章を見直して、
定着させていくことが重要でしょう。

参考書籍:
プロジェクトマネジメント知識体系ガイド PMBOK®ガイド 第6版
「アジャイル実務ガイド」Project Management Institute
PMP Exam Prep: Accelerated Learning to Pass the Project Management Professional (PMP)