相手の求めているものって何でしょうか?
その求めているものに対して、どのような対応をしていけば良いのでしょうか?
本日はマズローの欲求5段階という5段階の欲求レベルと、
その欲求に対して考えるマクレガーのX理論とY理論を紹介していきます。
マズローの欲求5段階説
まずは「マズローの欲求5段階」を見てみましょう。
自己実現理論とも呼ばれており、アメリカの心理学者のマズローが、
人間の欲求を5段階のレベルに分類したものです。
それでは下のレベルから見ていきましょう。
Lv1.生理的欲求
生きるために必要なものを求める段階です。
食欲や睡眠欲など、生命維持のための欲求です。
Lv2.安全の欲求
安全を担保したいといった欲求です。
生活していけるか? 経済的に問題がないか? 病気にならないか? など、
秩序と安全を担保したい欲求です。
Lv3.社会的欲求
自分の居場所を求め、誰かに受け入れられたいといった段階。
何処かの組織やグループ、家族などに属して、自分の役割を持ちたい欲求です。
誰かに愛されたい、一員として認められたい、孤独から脱却したい、
自分の居場所が欲しいといった欲求ですね。
Lv4.承認欲求
社会的欲求のもう一段上の欲求ですね。
このレベルでは、低い承認欲求と高い承認欲求の2段階が存在しています。
低い承認欲求では、他者から尊敬されたい、出世したいといった欲求になります。
高い承認欲求では、自発的に学習を続けるなど、自己啓発を行い、
他者からの評価より、自分自身の評価を大切にします。
Lv5.自己実現の欲求
自分はどうあるべきか? あるべき姿を求めていく欲求になります。
ただ自分の能力を高めたい欲求から、一段上がり、
「何をするべきなのか? 自分がどうありたいのか?」を求める段階です。
学生さんが進路を決めるとき、「将来なにをしたいのか?」を考える必要があります。
凄く繊細で大切な時期だと思います。
しかし、なかなか高いレベルの答えを求められているとも思います。
学生さんだけでなく、人生のさまざまなフェーズで、
「どうありたいか?何をやりたいのか?」は変わっていきますよね。
そのような自分の理想像や貢献すべきことを求める欲求ということでしょうか。
マクレガーのXY理論
こちらもアメリカの心理学者、ダグラス・マクレガーさんの提唱している理論です。
XY理論と言われ、人間の特徴をそれぞれX理論とY理論で定義したものです。
X理論とは、
「人間は本来、なまけもので、仕事がきらい。すぐにさぼってしまう」といった、
性悪説と同じ理論です。
X理論では、「アメとムチ」といった、報酬と強制的仕事をさせる方法が良いとされます。
Y理論とは、
「人間は本来、自己実現や達成感を満たす為に積極的に仕事をしていくもの」といった、
性善説と同じ理論です。
Y理論では、「強制させるのではなく、自発的な行動を促す」ような仕事の割り振りが良いとされます。
…真逆ですね。
最初この理論を見た時に、「だから?」って私は思いました。
ではどう活用すればよいのでしょうか?
チームメンバーや誰かと接するとき、マズローの5段階欲求に沿って、
X理論とY理論にあわせた対処法を参考に出来そうです。

生理的欲求や安全の欲求が強いシチュエーションでは、X理論をベースにリードしていく。
社会的欲求、承認欲求、自己実現の欲求が強いシチュエーションでは、Y理論をベースにリードしていくといった形です。
ただ厳しいだけでなく、欲求レベルを上げて自発的行動を促そう!
現代では、仕事をしていく上で、
社会的欲求以上の欲求を持たれている方が多いと思います。
例えば、災害が発生した時や、緊急避難を訓練するときにおいては、
安全の欲求が上がってくることもあります。
急ぎ一致団結する必要がある時は、X理論(性悪説)を考慮してみるのも良いでしょう。
ただ、普段の生活や、お仕事においては、
相手を尊重し、欲求レベルも上げて、Y理論(性善説)に基づいていきたいものですね。